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広告業界の動向と展望

(2024/10/30更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■広告業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

ネット広告が伸長し、マスコミ4媒体を上回る

広告業とは、主として依頼人のために、広告に係る企画立案やコンテンツの作成、広告媒体選択などのサービスを提供し、新聞・テレビなど広告媒体のスペースまたは時間を広告媒体企業と契約し、依頼人のために広告する事業所をいう。

マスコミ媒体が広告枠を広告主に販売する際の仲介によって得る「手数料収入」と、広告主からの依頼に応じて広告物を制作することで得る「広告制作収入」が収益の中心。加えて、大手の総合広告会社は、顧客のマーケティング・プロモーション戦略の策定・推進なども手掛ける。

近年、広告におけるマスコミ4媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)の売上高比率は低下し、代わってインターネット広告が拡大している。インターネット広告の売上高は2021年にテレビ広告のそれを上回り(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」)、2024年1~8月の合計では、マスコミ4媒体合計の売上高を上回った。

インターネット広告が成長している要因としては、

  • メディア・商取引の場としてインターネットの存在感が高まっていること
  • 広告ターゲットの絞り込みや、効果測定が行いやすいこと
  • クリック数などの成果に応じて広告費が発生する運用型広告が主流のため、低コストで広告を出しやすく、広告主のすそ野を拡大したこと、

などが挙げられる。

デジタル事業を巡り再編が進行

マスコミ4媒体の広告市場が頭打ちとなるなか、大手広告代理店はM&Aや資本・業務提携により、インターネット広告をはじめとするデジタル事業を強化している。

電通グループは、2018年に資本提携したネット広告大手のセプテーニ・ホールディングスを2022年1月に子会社化。他にも、グループ会社のサイバーコミュニケーションズがVOYAGE GROUPを経営統合して2022年1月に発足したCARTA HOLDINGSとの協働も行い、ネット広告事業を急拡大させている。

博報堂DYホールディングスは2018年に、ネット広告大手のDAコンソーシアムホールディングスを100%子会社化。2022年には博報堂テクノロジーズを設立するとともに、ネットマーケティング支援事業を手掛けるソウルドアウトを連結子会社化した。2024年4月には、傘下のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムとアイレップを統合し、グループのデジタルマーケティングの核となる新会社「Hakuhodo DY ONE」(東京都渋谷区)を発足させた。

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