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パチンコ業界の動向と展望

(2025/01/31更新)
パチンコ業界

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■パチンコ・パチスロ機製造業の業績動向
■パチンコホールの業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ

■業界の概要

パチンコホール数は減少傾向で推移

パチンコは遊技者がパチンコ玉を使って遊び、パチスロはリールを回して絵柄を揃えて遊ぶ娯楽で、当たればパチンコ玉やメダルを獲得できる。獲得した玉やメダルはそのまま換金できないため、パチンコホールが提供する景品と交換され、隣接する景品交換所で景品を介して現金化する仕組みが採用されている。パチンコホールや遊技場を運営するためには、風俗営業法に基づく許可が必要で、18歳未満は遊べない。

警察庁生活安全局保安課が発表した「令和5年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について」によると、2023年12月末時点のホール店舗数は7,083舗で前年比7.6%減となり、1995年(18,244舗)からは61.2%減少している。

遊技機メーカーの拠点は愛知と群馬に集中

経済産業省の「経済構造実態調査(製造業事業所調査)」によると、パチンコ機・パチスロ機を製造する遊技機メーカーは2023年に全国で92社あり、出荷額は前年比4.5%増の5,460億2,000万円。都道府県別では、パチンコ発祥の地である愛知県と群馬県に45社のメーカーがあり、半数が2県に集中している。

パチンコ機・パチスロ機は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」「風俗営業等の規制及び適正化等に関する法律施行規則」「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」などの法令により、その規格が定められている。指定試験機関に型式試験の申請をし、適合の認定を受けた後、各都道府県公安委員会の検定を取得したうえで、パチンコホールに販売および納入される。

市場規模は前年比横ばい、法律施行で厳しい環境が続く

日本生産性本部の「レジャー白書2024」によると、2023年のパチンコ・パチスロ市場規模は前年比7.5%増の15兆7,000億円。2019年と比べ78.5%にとどまっておりコロナ前の水準には回復していない。参加人口は前年比110万人減の660万人と、8年連続の1,000万人割れとなった。

2018年2月に改正風営法規則、同年10月にギャンブル等依存症対策基本法が施行されたことに加えて、近年は、パチンコ以外にも余暇を楽しむ娯楽が増えており、パチンコ業界は厳しさを増している。大手企業は多角化戦略を進め、中小企業は存続に苦しむ状況だ。業界全体が今後の法改正と社会的ニーズへの適応が課題となる。

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