■業界の概要
■市場の動向と展望
■映画製作・配給業、映画興行業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
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映画市場は、1990年代のシネマ・コンプレックス(シネコン)登場を機に、それまでの衰退傾向から再び盛り上がりを見せた。2019年には過去最高の興行収入(興収)を記録するも、2020~2021年は新型コロナの影響で興収・入場者数ともに落ち込んだ。その後は、人流回復や映画料金の値上げなども影響して、2022年からは回復傾向となっている。
邦洋画の興収内訳では、2008年以降は邦画が洋画を上回る傾向が続く。公開本数は、2019年に1,200本を突破も2020年(1,017本)と2021年(959本)は減少。2023年は1,232本とコロナ前まで回復した。
日本映画製作者連盟の発表によると、2021年の年間入場者数は1億1,482万人(前年比8.2%増)、興収は1,619億円(同13.0%増)だった。2000年以降で最低を記録した2020年と比較すると、いずれの数値も回復したが、コロナ前の2019年の水準には及ばなかった。
一定規模の大都市圏の映画館では、緊急事態宣言などの発出にともない休業や営業時間の短縮などを余儀なくされたほか、集客力の高い大都市圏で公開ができないため、全国公開延期を余儀なくされた作品も相次いだ。
入場者の平均料金は1,410円となり、2000年以降で最高値となった。背景には大スクリーンのIMAX や体感型など高額の入場料となる上映形態が人気だったことに加え、低料金となるファミリー層やシニア層がコロナ禍で外出を控えたことがあるとみられる。
日本映画製作者連盟の発表によると、2022年の年間入場者数は1億5,201万人(前年比32.4%増)、興収は2,131億円(同31.6%増)。邦洋画の構成比は邦画が68.8%、洋画が31.2%で、洋画が前年比10.5ポイント増加した。