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映画・ビデオ業界の動向と展望

(2025/02/28更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■映画製作・配給業、映画興行業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ

■業界の概要

映画業界は、主に制作・配給・興行の3事業で構成される

映画業界は、主に必要な資金を調達してスタッフや出演者らを組織して映画作品を作る「制作事業」、自社制作作品や他社から上映する権利を買い作品を映画館に供給する「配給事業」、映画館で作品を上映する「興行事業」の3つの事業がある。制作事業には多額の費用が必要とされ、作品が成功するかどうかの予測が難しく非常に高いリスクを伴う。

興行収益は一般的に興行収入(興収)の50%ずつを興行会社と配給会社が受け取り、配給側の興収50%から配給手数料(10~30%)を引いた額が制作に分配される。

NetflixやAmazon Prime Video、Disney+などのストリーミングサービスが普及したことにより、日本のアニメ映画が海外で人気を博しており、これにより視聴数の増加やアニメ関連商品の好調など海外収入の伸長が市場規模拡大の追い風となっている。

制作費上昇で、「製作委員会方式」による資金調達が普及

映画業界では、リアルで迫力のある映像表現を実現するために費用のかかるコンピューターグラフィックス(CG)を取り入れるなど、映画の制作費用が以前よりも大幅に増加している。そのため、複数企業が映画作りに出資する「製作委員会方式」が採用されることが多い。また、近年ではアニメ映画のヒット作品が多く、劇場上映中の収入だけでなく、その後の配信・グッズ制作・劇中音楽等の二次利用による収益も大きな収入源となっており、映画制作会社や配給会社のほか、テレビ局、出版社、ゲームメーカー、広告代理店、レコード会社、書籍流通業者、芸能プロダクションなどが出資して委員会を構成する。リスク分散に優れた方式として広く普及している。

一方で、製作委員会は共同製作契約のため、外部の機関投資家や金融関係者が参加しづらく大規模な資金調達手法が発達しにくい環境となっている点や、著作権を共同で保有する形態のため権利関係の整理や調整が煩雑な点が課題として挙げられる。

コロナ禍での落ち込みから一転、入場者数や興行収入は回復へ

映画市場は、1990年代のシネマ・コンプレックス(シネコン)登場を機に、それまでの衰退傾向から再び盛り上がりを見せている。2019年には過去最高の興行収入(興収)2,612億円を記録するも、2020~2021年は新型コロナの影響で興収・入場者数ともに落ち込んだ。その後は、人流回復や映画料金の値上げなども影響して、2022年からは興収・入場者数ともに回復傾向となっている。

邦洋画の興収内訳では、2008年以降は邦画が洋画を上回る傾向が続く。邦洋画を合わせた公開本数は、2019年に1,200本を突破も、2020年(1,017本)と2021年(959本)は減少。2023年は1,232本とコロナ前の水準まで回復し、2024年はハリウッドでのストライキが影響して1,190本となった。

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