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精密機械業界の動向と展望

(2025/01/31更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■カメラ・レンズ、時計製造業の業績動向
■計測機器製造業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

カメラ市場は高級機種へのシフト鮮明、ミラーレスカメラが市場けん引

カメラは、高性能カメラ機能付きスマートフォンの普及によりレンズ一体型コンパクトカメラの需要が衰退した。さらに、コロナ禍による長期の外出自粛や行動制限が市場を直撃し、市場は数量・金額ともに縮小傾向が続いたものの、一眼レフカメラと比べてコンパクトで軽量なうえ、高画質な写真やビデオ撮影ができるミラーレスカメラの需要が急速に伸び、カメラ市場をけん引している。

近年のカメラ市場では、高単価の中高級機が市場を支えているほか、高解像度の映像に対する需要の高まりから、4Kおよび8Kのカメラやビデオカメラの普及が進んでいる。特に、ストリーミングサービスや映画業界での需要が増加している。

また、コロナ禍でオンライン上でのビデオ会議が定着し、ビデオ会議用のウェブカメラやビデオカメラの需要が増えたほか、防犯や監視機能を目的とするネットワークカメラの需要も伸長している。

AI(人工知能)技術の進歩により、カメラにも多くの機能が追加されており、被写体の自動認識やスマートカメラ機能などがあり、撮影の効率性や品質が向上している。

時計市場では、日本製品が高評価。世界に向けたブランド戦略を強化

時計の世界市場では、さまざまなブランドが存在し、独自のデザインや技術を提供している。有名なブランドには、ロレックス(英)、オメガ(スイス)、カルティエ(仏)などがあり、一部の富裕層をターゲットにする高級時計から、広い層に向けて販売される一般的なブランドまで幅広い。

そうした中で、日本の時計メーカーはクォーツ時計や自動巻き時計など、正確性と耐久性に優れたさまざまな種類の時計を製造しており、高品質な製品と技術で知られている。ソーラーパワーや電波時計の技術でも評価され、伝統的な時計作りの技術と最新のテクノロジーの融合が、日本の時計メーカーの特徴といえる。デザインにおいても、伝統的なデザインからモダンなデザインまで、幅広いスタイルがあり、近年は高級機械式や高価格帯の腕時計、太陽電池発電式の電波修正時計など高付加価値商品が市場成長をけん引している。

国内需要は、個人消費やインバウンド需要の影響を受ける中で、日本の時計メーカーの製品は世界中で高い評価を受けており、ブランドの国際的な知名度が高まり、特にアジア諸国や欧州市場での需要が増加している。そのため、各社は世界市場に向けたブランド戦略を強化している。

近年は健康管理や通知機能などの機能をもつスマートウォッチやアクティブなライフスタイルを送る層向けのスポーツウォッチの人気が高まっているほか、環境問題への関心からリサイクル素材の使用や省電力技術も注目されている。

計測機器市場は、国内外の設備投資に左右される

計測機器は、自動車、半導体、情報通信、電子機器、航空宇宙、医療、エネルギーなど多くの産業や分野において、品質管理、製造プロセスの改善、安全性の確保などさまざまな目的に使用される。その生産高は、国内外の設備投資の動向に左右される。

日本では、自動車や電子機器といった主要産業での需要により、特に高精度の計測機器が求められる。アジア太平洋地域では、工業化の進展や新興国の経済成長により計測機器の需要が急速に拡大している。

技術の進歩にともない計測機器の精度や機能は向上しており、無線通信やセンサ技術の進歩により、計測機器のワイヤレス化や自動化が進んでいる。特に、近年はIoT(モノのインターネット化)の普及により、機器やシステムの状態をリアルタイムで監視し、データを収集・分析することが可能になっている。ビッグデータ分析により計測機器から得られるデータの活用が進んでおり、データ解析により製品やプロセスの改善、予防保全、効率化などが実現している。

また、世界的な環境問題への取り組みから、環境保護やエネルギー効率向上への要求が高まっており、エネルギー分野向けや環境関連の計測機器の需要が増えている。

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