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介護・福祉関連サービス業界の動向と展望

(2024/01/31更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■介護サービス業、有料老人ホーム業の業績動向
■福祉用具製造業、同レンタル・販売業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

施設、居宅、地域密着型、総合事業の4つに分類

従来の「施設」「居宅」「地域密着型」に加え、2017年から「介護予防・日常生活支援総合事業」が開始された。民間企業が参入可能な形態は、有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅、訪問介護、通所介護、配食サービス、介護・福祉機器販売・レンタルなどがある

拡大する介護事業、介護人材の確保が課題

令和5年版高齢社会白書」(厚生労働省)によると、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は29.0%(2022年)。都道府県別では最も高い秋田県で38.6%、最も低い東京都で22.8%となっている。今後さらに高齢化率は上昇し、2045年にはすべての都道府県で30%を超えると見込まれている。

2000年の介護保険制度導入以降、介護サービス市場は急速に拡大しており、利用者数は制度創設時の3倍を超える。介護報酬は3年ごとに見直され、介護関連事業者の収入に影響する。

居住エリアで高齢者の生活をサポートする「地域包括ケアシステム」推進や、自立支援や介護予防が重視されている。

団塊の世代が75歳以上となる2025年以降の介護需要増加を見据え、介護人材の確保・育成が最大の課題である。

■市場の動向と展望

2021年度の市場動向

要介護認定者数、介護費の増加が続いた

厚生労働省の「介護給付費等実態統計」によると、2022年3月末時点での要介護(要支援)認定者数は、前年同月末比1.3%増の714万7,000人。国民健康保険中央会の「介護給付費の状況」によると、2021年度の介護費は前年度比1.9%増の11兆8,493億円と、認定者数、介護費ともに増加が続いた

感染症や災害対策として事業継続計画(BCP)策定が義務化

新型コロナ感染拡大により各地の介護施設でクラスターが発生し、家族との面談や営業活動において慎重な対応が求められる状況が続いた。

介護事業者には、感染症や自然災害時においても継続的なサービスの提供が求められることから、2021年4月の「介護報酬改定」では、介護事業者に2024年3月末までの事業継続計画(BCP)の策定と研修や訓練の実施が義務付けられ、早急な取り組みが求められることとなった

2022年度の市場動向

要介護認定者数、介護費の増加が続く

厚生労働省の「介護給付費等実態統計」によると、2023年3月末時点での要介護(要支援)認定者数は、前年同月比0.8%増の720万2,000人。国民健康保険中央会の「介護給付費の状況」によると、2022年度の介護費は、前年度比1.1%増の11兆9,833億円と、認定者数、介護費とも増加した。

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