■業界の概要
■市場の動向と展望
■石油開発業、石油元売り業、石油精製業の業績動向
■石油製品小売業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ
石油業界は、石油開発・石油元売り・石油精製・石油製品小売業で構成される。
日本の消費量の大部分は輸入されており、2023年度の原油輸入量1億4,480万キロリットルのうち、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなど中東地域からの輸入が94.7%を占める。中東地域への依存度が高いことから、エネルギーの安定供給確保のため、原油調達先の分散は長年の課題となっている。
国内では、人口減少や輸送機器の燃費性能向上に加えて、エコカーの普及や産業界の燃料転換など、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた動きの中で、ガソリンをはじめとする石油製品需要は年1~2%台の緩やかな減少が続いている。
今後も長期的な需要減少傾向は避けられず、資本提携や経営統合による再編が進むとみられる。
政府はカーボンニュートラルの実現に向けGX(グリーン・トランスフォーメーション)政策を推進しており、こうした環境下で、各社は脱炭素化に向けて、水素・アンモニア、CCS・CCUS※、再生可能エネルギーなど新規分野への投融資や設備投資を加速し、事業構造への転換を進めている。
※CCS:「Carbon dioxide Capture and Storage」の略、二酸化炭素(CO2)を分離・回収し、地中などに貯留する技術のこと
CCUS:「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略、回収・分離・貯留した二酸化炭素を利用すること
資源エネルギー庁によると、国内の給油所(サービスステーション、SS)は2024年3月末時点で2万7,414給油所(前年同月末より549カ所減)。同時点で1,718市町村中、SSが3カ所以下の市町村は計372市町村(前年同月末より14自治体増)にのぼり、「SS過疎地」問題は深刻化している。
一方、石油情報センターによると、セルフ式給油所は2024年3月末時点では1万829カ所で、前年同月末から108カ所増と増加傾向が続いている。全国のSSのうちセルフ化率は39.5%で、都道府県別では最もセルフ化率が高いのは神奈川県の57.7%、最も低いのは秋田県の26.0%だった。