■業界の概要
■市場の動向と展望
■出版社、出版取次の業績動向
■書店、電子書店・電子書籍取次の業績動向
■新聞社の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
国内の出版業界は、1996年までは拡大基調で推移したが、97年の消費税率引き上げによる消費不振をきっかけに、以降減少の一途をたどってきた。
とくに雑誌はインターネットや電子出版の普及などから、販売部数・広告収入ともに大きく減少、休刊や廃刊も相次いでいる。書籍も販売部数の減少が続き、ヒット作の有無に左右される面があるものの、雑誌に比べて落ち込みは緩やかである。
新聞は、総合的な情報を扱う「一般紙」と、特定業界を扱う「専門紙」に大別される。「一般紙」は「全国紙」(朝日、毎日、読売、日経、産経)、「ブロック紙」(中日、北海道など)、「地方紙」(信濃毎日、神戸など)に分けられる。
購読数・広告収入の減少傾向に歯止めがかからず、夕刊の廃止や他社への印刷委託、販売店の統廃合など事業の見直しが続く。
こうした中、印刷用紙、インクなど資材価格高騰を理由に、2023年に入り読売新聞を除く全国紙をはじめ、ブロック紙、地方紙は500~600円の値上げに踏み切った。
全国出版協会によると、2021年の紙と電子を合わせた出版物推定販売金額は1兆6,742億円(前年比3.6%増)と3年連続で増加した。
紙媒体の販売金額は1兆2,080億円(同1.3%減)となり、17年連続で減少した。書籍は6,804億円(同2.1%増)と15年ぶりに増加に転じたが、雑誌は5,276億円(同5.4%減)で24年連続の前年割れとなった。
電子出版販売金額は4,662億円(同18.6%増)となった。うち電子コミックは4,114億円(同20.3%増)と、コロナ禍の「巣ごもり需要」や韓国発のウェブトゥーンなどのヒットで伸長した。
日本新聞協会によると、2021年の新聞発行部数は前年比5.9%減の3,302万部。新聞離れに歯止めがかからず、17年連続でのマイナスとなった。
全国出版協会によると、2022年の紙と電子を合わせた出版物推定販売金額は1兆6,305億円(前年比2.6%減)と4年ぶりの前年割れとなった。