■業界の概要
■市場の動向と展望
■アパレル業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
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人口減や消費不振などにより国内アパレル市場は縮小傾向にある。こうした中、多様なスタイルを求める消費者の需要に対応して、流行を取り入れつつ安価な製品を短いサイクルで大量販売する「ファストファッション」が定着した。
アパレルは流行や気象条件の影響が大きいため需要予測が難しい。市場の変化や消費者ニーズに迅速に対応することが競争優位につながるため、製造から小売りまでを一貫して行うSPA(製造小売業)業態が主流となっている。
ネット通販も拡大傾向にある。ネット通販の普及により、消費者は店舗に足を運ぶことなく、手軽にファッションアイテムを購入できるようになった。とくに、コロナ禍をきっかけにECサイトやアプリの利用が加速し、存在感を高めている。また、AIによるパーソナライズ提案や試着シミュレーション機能などのテクノロジーが導入され、利便性が向上。これにより、従来型の衣料品小売業は厳しい競争に直面し、店舗の閉鎖や経営方針の転換を余儀なくされている。
ファストファッション企業が勢力を伸ばした一方、従来型の総合アパレル事業者や紳士服大手は、近年の市場環境の変化に対応するため、不採算店舗やブランドの整理といった事業再構築を進めている。コロナ禍でのリモートワークの普及や在宅時間の増加にともない、快適性や多様性を重視したカジュアルウェアの需要が増加している。これを受け、各社は製品ラインナップの見直しを図り、カジュアルアイテムの拡充やスポーツウェア市場への参入を加速させる。
さらに、海外市場の開拓やECの強化を進める。ECの重要性が増す中、オンライン販売の強化やDXの推進にも注力する。また、環境意識の高まりに応じて、サステナブル素材の採用やリサイクル事業の展開も注目されている。国内市場が成熟する中、アジアを中心とした海外展開の強化も戦略の一環となっている。