■業界の概要
■市場の動向と展望
■アパレル業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図
■関連コンテンツ
人口減や消費不振などにより国内アパレル市場は縮小傾向にある。こうした中、流行を取り入れつつ安価な製品を短いサイクルで大量販売する「ファストファッション」が定着するほか、ネット通販も拡大傾向にある。
アパレルは流行や気象条件の影響が大きいため需要予測が難しい。市場の変化や消費者ニーズへのいち早い対応が競争優位につながるため、製造から小売りまでを一貫して行うSPA(製造小売業)業態が主流となっている。
ファストファッション企業が勢力を伸ばした一方、従来型の総合アパレル事業者や紳士服大手は苦戦が続く。各社は不採算店舗やブランドの整理に加え、海外市場の開拓やECの強化を進める。
経済産業省の「商業動態統計調査」によると、2021年度の織物・衣服・身の回り品小売業の販売額は、前年度比2.5%増の8兆5,620億円となった。コロナで大きく落ち込んだ前年度からはやや回復したものの、コロナ前の2019年度(10兆6,860億円)と比較して、約8割の水準にとどまった。
百貨店・スーパーにおける衣料品販売額は、同5.6%増の2兆8,105億円。内訳は、百貨店が前年度比11.4%増の2兆円、スーパーが同6.4%減の8,100億円だった。年度を通じて、新型コロナの感染動向により需要が左右され、規制が解除されると外出機会増加による消費マインドの高まりで需要回復も見られた。9月以降の気温の低下により秋冬物衣料は好調だったが、在宅勤務定着でビジネス衣料は落ち込んだままとなった。
経済産業省の「商業動態統計調査」によると、2022年度の織物・衣服・身の回り品小売業の販売額は、前年度比2.5%増の8兆7,790億円。百貨店・スーパーの衣料品販売額は、同14.9%増の3兆2,302億円。内訳は、百貨店が同19.9%増の2兆3,990億円と急回復したが、スーパーは同2.6%増の8,320億円にとどまった。