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繊維業界の動向と展望

(2024/09/30更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■繊維製造・紡績業の業績動向
■繊維商社の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

汎用品生産は海外へ、国内では高付加価値製品の生産を進める

日本の繊維産業は、輸出により外資を稼ぐ産業として発展を遂げたが、1985年のプラザ合意による円高で翌年から輸入超過に転じた。

需要の落ち込みや競争力の低下から、汎用品は生産拠点を中国やASEAN 諸国地域へ海外移転し、国内では減産基調となっている。こうした中、国内生産は航空機などで使用される先端素材(炭素繊維、アラミド繊維など)といった高付加価値製品にシフトしている。

業界では衣類の大量生産・大量廃棄による環境負荷が世界的な課題となっており、既に欧州では、繊維製品の環境配慮対応やサステナビリティへの取り組みが加速している。そのため、国内の繊維産業が海外市場で競争力を強化していくには、環境負荷の軽減が重要となっている。

そのような中、2023年1月20日、繊維産業における資源循環型経済の実現に向けた課題を議論・整理するため、経済産業省は「繊維製品における資源循環システム検討会」をスタート。国内の業界企業においても課題解決に向けた取り組みが開始している。

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