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国税庁「酒税課税状況表」によると、2022年度の酒類課税数量(速報値)は816万3,156キロリットルと、ピーク時(1999年度)の1,016万6,000キロリットルから19.7%減少した。長期的な飲酒人口の減少や既存市場の成熟化、若年層の飲酒離れに加え、コロナ禍での消費スタイルの変化などが影響している。
近年、ビール消費量の減少に直面する大手ビール各社は、RTD(開栓後そのまますぐ飲めるタイプのアルコール飲料)市場に注力し、売り上げを伸ばしている。消費者の嗜好が多様化する中、カロリーや糖質の低い健康志向商品・クラフトビール・ファインワインなどの付加価値の高い商品・サービスの展開を進め、収益基盤の強化を図っている。
国税庁「酒税課税状況表」によると、2021年度の酒類課税数量(確定値)は前年度比1.8%減の799万2,467キロリットルだった。なお、ビール類(ビールと発泡酒の合計)は、253万1,728キロリットルと同4.1%増加した。
新型コロナ感染拡大の影響で夏場に酒類提供が制限されていたが、10月以降の飲食店の酒類提供制限の解除にともない、業務用需要が緩やかな回復傾向に転じた。しかし、オミクロン株の感染拡大で1月から3月を中心に再び飲食店での酒類提供が制限されたことで、前年度に引き続き、通年度での業務用需要は大幅に減少した。一方、家庭用需要は、巣ごもり消費の継続により、缶ビールや発泡酒、缶チューハイなどのRTDが堅調に推移したものの、新ジャンルは増税の影響を受け縮小した。
国税庁「酒税課税状況表」によると、2022年度の酒類課税数量(速報値)は、前年度比2.1%増の816万3,156キロリットルとなった。なお、ビール類(ビールと発泡酒の合計)は、同10.4%増の279万4,766キロリットルだった。
行動制限の解除で飲食店が通常営業に戻った結果、これまで打撃を受けていた業務用市場での酒類消費が回復傾向に転じた。コロナ以前の水準までには回復していないが、飲食店での消費が多いビールの需要が増加傾向となった。