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プラントエンジニアリング業界の動向と展望

(2024/07/29更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■プラントエンジニアリングの業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

大規模な工場・生産設備の建設を行う

プラントエンジニアリング業は、大規模な産業施設の企画、設計、機材調達、建設などを行う。具体的には、発電所、通信インフラ、石油精製・化学・製鉄などの工場、橋梁、鉄塔、水門などの鉄鋼構造物、下水・廃棄物処理などの環境衛生施設、海洋資源開発のための洋上プラントなどがある。

大規模で専門性の高い施設を建設するため、「建設して終わり」ではなく、その後のプラント運用や保守、およびそれらに関連するコンサルティングや技術サービスまでを包括的に請け負うことも多い。そのため建設技術だけでなく、そのプラントが扱う製品の特長や生産工程に関する、専門的な知識・ノウハウも求められる。

国内では、日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリングが専業3社と呼ばれる。加えて、重電機器、造船、鉄鋼、化学などの重厚長大メーカーや大手ゼネコンが、それぞれの専門性を生かして参入している。

リスク管理が業績を左右

プラント建設の工期は長く、時には数年間に渡る。また工業化を進める新興国や産油国など、海外におけるプロジェクトも多い。そのため、一般的な建設業に比べてリスク要因が多く、その管理が業績に大きく影響する。

具体的には、発注者や協働する企業の経営悪化、機器・資材の価格や調達環境の変動、自然災害や感染症の流行、政学的な緊張や紛争などが挙げられる。また、化学的な処理や加工を行う施設を建設することが多いことから、工事現場における火災、爆発といった重大事故のリスク管理も重要となる。

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