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損害保険業界の動向と展望

(2024/07/30更新)

【目次】

■業界の概要
■市場の動向と展望
■損害保険業の業績動向
■統計データ、関連法規・団体
■業界天気図

■業界の概要

自動車保険・火災保険・新種保険が3本柱

損害保険はマリン分野(海上保険)と、それ以外のノンマリン分野に大別される。

かつての主流はマリン分野であったが、現在は社会環境の変化や自然災害の多発などから、自動車保険、火災保険、新種保険などのノンマリン分野が主流となっている。

新種保険では、賠償責任保険、動産総合保険、労働災害総合保険が堅調に推移している。構成比は小さいものの、ペット保険が急速に成長している。

最近では、サイバーリスク保険やドローン保険など、社会の変化に対応した新たな保険の開発が進んでいる。

国内市場は57社が担うも、3メガ損保のシェアが約90%

国内の損害保険業界は、保険自由化による競争激化から、2000年以降大規模な業界再編が進んだ。国内市場は損害保険会社35社、外国損害保険会社など21社、免許特定法人1社の計57社で構成される(金融庁「損害保険会社免許一覧」2024年7月現在)。

市場は3メガ損保グループ(東京海上グループ、MS&ADインシュアランスグループ、SOMPOグループ)が収入保険料で全体の9割を占め、寡占状態にある。

気候変動による自然災害の増加が、収益を圧迫

地球規模での気候変動により、台風や水害などの自然災害による被害が増加。それに対する保険金の支払い増加が、損害保険会社の収益を圧迫している。

日本損害保険協会の「近年の風水害による支払い保険金調査結果(見込み含む)」によると、風水害による支払保険金は、2018年度に1兆5,160億円 、2019年度に1兆721億円と、近年では1兆円を超える年も出てきている。

自然災害リスクの拡大により、保険会社がリスク分散のために加入する「再保険」の保険料も高騰している。 こうした収益環境の悪化を受け、損害保険各社は、審査の厳格化や保険料の値上げを進めている。

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