政府の「スタートアップ育成5か年計画」を筆頭に、ベンチャーやスタートアップに対する国の支援策が拡充されている。
しかし、2023年の国内スタートアップの資金調達額は、前年度を下回ったもようである。フォースタートアップス(東京都港区)の「2023年 年間 国内スタートアップ投資動向レポート」によると、2023年に国内のスタートアップが調達した資金は前年比27.8%減の9,037億2,300万円だった(速報値。新株を発行するエクイティファイナンス、融資などのデットファイナンス、クラウドファンディングによる調達などの総額)。
スタートアップが調達する資金の3~4割を占めると言われる、ベンチャーキャピタル(以下、VC)の投資金額も、減少したもようである。一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター(東京都千代田区)の「2023年度ベンチャーキャピタル等投資動向速報」によると、2023度の日本に籍を置くVC等によるベンチャー企業への投資金額は、前年度比18.5%減の2,669億円(国内1,934憶円、海外735憶円)だった(速報値)。
ベンチャー・スタートアップの育成が国策となっている一方で、これらの金額が減少している理由の一つとして、投資家の投資先選別が厳しくなってきていることが考えられる。とくにVCや機関投資家は、多くの企業に少額ずつ投資するのではなく、企業を選別した上でまとまった金額を投資する傾向を強めていると聞かれる。
実際にVCは、どのような企業に投資しているのか。帝国データバンクでは、保有する企業データの中から主要ベンチャーキャピタルが出資している企業をリストアップし、その傾向を分析した。
■分析対象
1.本社所在地の傾向
2.業種別の傾向
3.企業規模別の傾向
4.業歴別の傾向
5.損益の傾向
6.代表者年齢の傾向
7.代表者の性別の傾向
8.まとめ
下記条件1~3に該当する1,022法人