2023年のIPO社数は96社(TOKYO PRO Marketを除く)となった。うち、新興市場への上場は67社(東証グロース66社、名証ネクスト1社)であった。
前年の2022年は、各国の金融引き締め政策が株価を押し下げ、IPOを取り巻く環境が悪化。その結果、国内IPOは小型化し、上場申請の取り下げも散発した。
一方2023年は、円安による輸出型企業の業績好調や、東京証券取引所(東証)による企業への資本効率改善要請 、日銀の金融緩和政策見直し観測などが好材料となり、海外投資家を中心に日本株への関心が高まった。
その結果、2023年の日経平均株価は年間で28.2%(7,369円67銭)と大きく上昇 し、11月にはバブル崩壊後の最高値を一時的に更新 した。
一方、2023年末の東証グロース指数(旧東証マザーズ指数)は前年末比3.3%の下落 となり、日経平均との勢いの差が顕著であった。 上場後に成長にブレーキが掛かる企業も少なくなく、東証においても、グロース市場の上場維持基準引き上げが検討され始めた。
そのような中、企業のIPO意向はどのようになっているのか。帝国データバンクでは、保有する企業情報の中からIPOの意向を持つと考えられる企業を抽出し、アンケート調査を実施した。
1.アンケートの概要
2.回答企業の属性
3.IPO計画状況
4.IPOの目的
5.IPO予定時期
6.IPOへの障害
7.IPO予定市場
8.IPOに向けてとくに強化すべきと考える点
9.幹事証券会社、監査法人の決定状況
10.国内株式市場の展望
11.IPO以外に関心のある資金調達方法
12.まとめ
帝国データバンクでは2024年3月に、新規株式公開(IPO)の意向があると思われる企業7,000社を対象に「株式上場意向に関するアンケート調査」を実施した(IPO意向がある企業のみ回答)。
本調査は1998年12月以降毎年実施しており、今回で27回目となる。
アンケートではIPOの目的、IPO予定時期と予定市場、IPOを検討するにあたって強化すべき点のほか、「意向があるが、現状では難しい」と回答した企業にはその理由、また2024年の国内株式市場の見通しなどを尋ねた。
【調査期間】 2024年3月1日~3月15日
【調査方法】 郵送調査
【調査対象】 下記(1)~(3)のうちいずれかに該当した、未上場の7,000社