国内景気の実態把握を目的として、2002年5月から調査を開始したTDB景気動向調査。現在、日本全体、全国10地域、47都道府県に関して景気DIなどの指標を公表している。

圏域別景気DIは、企業が実感する地域の景況感により近づけるため、地域の経済的なつながりや交通網などを考慮し、全国47都道府県を130の圏域に分割して算出している。

ここでは、「大分県」の圏域別の動向を見ていく。

大分県の各圏域と圏域別景気DI

大分県を「中部・南部・西部圏」「東部・北部圏」の2つの圏域に分けて、圏域別の特徴を取り上げる。

大分県は、温泉の源泉数、湧出量ともに全国１位で、観光資源として「おんせん県」をアピールするほか、日本最大の地熱発電所「九州電力・八丁原発電所」を擁するなど、地熱発電量でも全国一。製造品出荷額等が九州では福岡県に次いで多く、輸送用機械器具や鉄鋼、化学工業製品、非鉄金属が上位を占める。地域ブランドとして確立した大分麦焼酎の産地であり、蒸留酒・混成酒製造業も知られる。

景気D（I 下図）では、両圏域ともに新型コロナの影響で落ち込んだ2020年2Q からの回復が見られるものの、地場製造業が集積する「東部・北部圏」の景況感は、2021年以降、「中部・南部・西部圏」を下回って推移している。年商ランキング上位50社（63頁）をみると、県庁所在地の大分市を有する「中部・南部・西部圏」が39社を占める。