国内景気の実態把握を目的として、2002年5月から調査を開始したTDB景気動向調査。現在、日本全体、全国10地域、47都道府県に関して景気DIなどの指標を公表している。
圏域別景気DIは、企業が実感する地域の景況感により近づけるため、地域の経済的なつながりや交通網などを考慮し、全国47都道府県を130の圏域に分割して算出している。
ここでは、「佐賀県」の圏域別の動向を見ていく。
佐賀県を「佐賀南部圏」「佐賀北部圏」の2つの圏域に分けて、圏域別の特徴を取り上げる。
佐賀県は外海に玄界灘、内海では海苔の養殖で有名な有明海に面し、両沿岸部では漁業が盛ん。温暖な気候で、二毛作(夏期:米・大豆、冬期:麦類・たまねぎ)のほか、温州みかんやイチゴなどの栽培も盛んである。また県内には自動車、半導体・デバイス産業が集積する。
「佐賀南部圏」にある鳥栖ジャンクションは、九州縦貫自動車道と、北部九州を東西に結ぶ長崎自動車道および大分自動車道が接続する交通の要所。また圏域内の武雄温泉と長崎を結ぶ西九州新幹線が2022年9月に開通し、観光需要増が期待される。D I(下図)では、「佐賀南部圏」は県全体を上回って推移。一方、「佐賀北部圏」は県を下回っている。年商ランキング上位50社では「佐賀南部圏」43社に対し、「佐賀北部圏」は7社にとどまった。