国内景気の実態把握を目的として、2002年5月から調査を開始したTDB景気動向調査。現在、日本全体、全国10地域、47都道府県に関して景気DIなどの指標を公表している。
圏域別景気DIは、企業が実感する地域の景況感により近づけるため、地域の経済的なつながりや交通網などを考慮し、全国47都道府県を130の圏域に分割して算出している。
ここでは、「徳島県」の圏域別の動向を見ていく。
徳島県を「徳島東部・西部圏」「徳島南部圏」の2つの圏域に分けて、圏域別の特徴を取り上げる。
徳島県は、鳴門の渦潮やウミガメで知られる大浜海岸など数多くの観光名所を有する。一方で、全国トップクラスの情報通信インフラが整備されており、CATV 網の世帯普及率は10年連続全国1位(2021年3月現在)を誇る。情報通信関連産業やサテライトオフィスの誘致を進めるほか、次世代LED バレイ構想により2027年度までに光産業の製造品出荷額6,200億円を目標に同産業の成長を目指す。
徳島県の景気DI (下図) は、両圏域ともに新型コロナの影響で2020年2Q に大きく落ち込んだが、回復傾向では「徳島東部・西部圏」に比べ、LED 産業や第1次産業の多い「徳島南部圏」の回復が早い。徳島県の年商ランキング上位50社をみると、約9割を「徳島東部・西部圏」(47社)が占め、「徳島南部圏」は3社にとどまった。