国内景気の実態把握を目的として、2002年5月から調査を開始したTDB景気動向調査。現在、日本全体、全国10地域、47都道府県に関して景気DIなどの指標を公表している。
圏域別景気DIは、企業が実感する地域の景況感により近づけるため、地域の経済的なつながりや交通網などを考慮し、全国47都道府県を130の圏域に分割して算出している。
ここでは、「広島県」の圏域別の動向を見ていく。
広島県を「広島圏」「備後圏」「備北圏」の3つの圏域に分けて、圏域別の特徴を取り上げる。広島県の製造品出荷額等は、約9兆7,415億円と全国11位。
そのうち「広島圏」は、県人口の約4割が集中する中核エリア。政令指定都市で中国地方の行政・経済の中心でもある広島市は、被爆体験を経て平和記念都市として、世界的にも有名。圏内にはマツダの企業城下町が形成され、自動車産業が基幹産業として支える。「備後圏」は、鉄鋼や造船をはじめ製造業が盛んで、景気 D I(下図)は県全体 DI とほぼ同様の推移を見せる。一方、「備北圏」は県北東の内陸部で、経済圏の規模としては他圏を大きく下回る。同圏の景気DI をみると、新型コロナによる落ち込みからの回復は早かったものの、2022年に入り大きく落ち込んでいる。年商ランキング上位50社をみると、「広島圏」の企業が39社と、約8割を占める。