本連載では、日本企業の主要な進出先として想定される各国の政経情勢を取り上げている。第8回は、世界一の経済大国である米国のコロナショックと経済の状況を考察する。
米国では、コロナの累計感染者数が世界最多となる中、2020年に記録的なマイナス成長となったが、2021年前半はワクチン接種が進む中で高成長に転じた。
今夏はデルタ株への感染増により景気が一旦減速しているが、①接種義務化の動きを通じてコロナワクチンの一層の普及と感染第4波の抑え込みが期待される、②3度の大型経済対策によって依然として家計の購買余力が大きい、③失業保険の特別給付終了に伴い労働者の復職が進んでいく――などの点を勘案すると、米国経済の成長基盤は簡単には崩れず、2022年にかけて高成長が続くと予想される。