本連載では、日本企業の進出先として想定される世界各国の政経情勢などを取り上げる。
第5回は、ASEANで最大の経済規模を誇り、同地域の盟主的存在であるインドネシアに注目した。
インドネシアは、1997年のアジア通貨危機に伴う経済の混乱を教訓に、厳格な財政規律を守りながら、増加する生産年齢人口やインフラ需要を背景に安定した経済成長を続けてきた。 しかしながら、2020年入り後は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を大きく受け、大幅な経済減速に見舞われた。
以下、先行きの経済見通しを解説したうえで、サプライチェーンの再構築先としての重要度が一層増すインドネシアの長期的な課題について考察した。