2016年の新規株式公開(IPO)社数は83件(TOKYO PRO Market 除く)で、2015年の92件から約1割減少し、7年ぶりに前年を下回った。当初は前年並みの件数が期待されたものの、上半期に円高が進み、それによる企業業績の足踏みと株価の低迷が水を差す形となった。また、上場企業の不祥事やIPO 直後の業績見通し修正が相次いだことから、上場審査が厳格化されたことも影響した。
2016年11月の米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選すると、減税や財政出動、インフラ投資の拡大といった同氏の経済政策への期待からドル高が進んだ。相対的に円安となったことで国内株式市場も上向き、2017年に入ってからも堅調に推移している。そのため2017年のIPO は、前年のLINE、九州旅客鉄道(JR 九州)のような大型上場の予定こそないものの、前年並みの件数が見込まれている。
そのようななか、帝国データバンクでは、保有する企業情報のなかからIPO の意向を持つと考えられる企業を抽出し、アンケート調査を実施した。